AIが人々の仕事を効率化していき、仕事に時間を割く部分が変わってきています。
例えば、情報収集・整理、分析、資料作成といった作業ベースの仕事はAIが高い精度でこなしてくれる。その分、AI活用、調整、意思決定など「人にしかできない役割」に比重が増えていきます。
ただ、このAI時代でも変わらないものがあります。
それが「適性」の重要性です。
今後、会社やクライアントから求められる仕事・役割を担えたとしても、適性がなければ成果を出しにくく、自分らしいキャリアを築いていくことは難しいです。
AIがどれだけ進化しても、この原則は揺らぎません。
むしろ、不確実性が高まる今だからこそ、この本質はより重要になっています。
この記事では、
・AI時代にどんな変化が起きているのか
・なぜ適性がより重要になるのか
・適性とAI時代の定期的な見直しが必要な理由
を整理しながら、これからのキャリアの考え方を解説します。
1. AI時代、これまで以上に「適性」が今後のキャリアを左右する
AIが普及することで、仕事で求められる役割(スキル・行動)は確実に変わっています。
しかし、「成果を出せる人の条件」は大きく変わっていません。
成果を出す人の共通点
・自分の得意・強みを活かせる仕事、環境を選択できている
・苦手な領域の努力は限定的で、チーム連携やツール利用など外部に頼る
・自分について客観的に把握している
もちろん、生まれ持った能力のベースが高い方もいますが、ほとんどの人間の知能指数の差は大きくなく、自分に適性のある環境で働けているかどうかの積み重ねで、差が出来てしまったように見えることも多いのです。
他にも成果を出せる人には、行動力・マインドセット・周囲を巻き込む力などが高い傾向がありますが、そもそも自然と成果を出せる適性のある環境にいれば、おのずと前向きに物事を捉えやすい・行動に躊躇しない・人との連携がうまくいきやすいものです。
逆に言えば、適性に合わない仕事だと、努力しても結果につながりにくく、余計に周囲と比較してモヤモヤしていまいます。そして、そのまま適性に合わない仕事を続けていると、このAI時代ではさらに疲弊してしまうことになります。
なぜなら、AIは努力でカバーしやすかった作業を中心に仕事を代替し、人にしかできない役割の比重が高まっていくためです。人にしかできない領域は感覚的なものが多く、生まれ持った素質や性格、これまでの経験によるものが多く、努力カバーすることが難しい領域でもあるためです。
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AIが代替していく作業
・情報収集・整理
・分析
・資料作成
人にしかできない役割
・ 正解のない場面で意思決定する力
・ 関係者の意見をまとめる調整力
・相手の本音や意図を引き出す対話力
人にしかできない役割を持つ仕事の割合が増えていく中で、適性がないと仕事で成果をあげにくく、「なんとなくできる」レベルでは、今後よりAIが進化していった際に、会社に求められない人材になる可能性もあります。
2. AI時代とは?を理解しておくことも重要
人にしかできない役割の適性の重要性をお伝えしましたが、加えてAI時代はどんな時代かを理解しておくことが、今後のキャリア判断をし、自分らしいキャリアを築いていく上では重要です。
これまでは、適性を知り、適性に即した仕事を選べれば、通用していました。
しかし、AI時代では、それだけでは大丈夫とは言い切れません。
例えば、先述したようにAIの進化で、作業が効率化され求められ人の役割が変わるなど、AIを使う前提で、どう事業を進めていくか、のように仕事の構造自体が変わっています。
また、これまでのように政策やリーマンショックなどの景気による「外的ショック」の影響は引き続きありますが、それに加えてAIは「継続的に環境を変え続けるもの」となり、常に変化を頭にいれておく必要があります。
自分が優秀で成果を出せていたとしても、自分の仕事が不要になる・会社が存続できないといったケースも想定されます。
そのため、重要なのは、自分の適性を把握することと同時に、Aどんな仕事が必要とされているかなどAI時代について理解しておくことです。
AI時代において意識すべき視点
① 代替されやすい仕事を知る
・定型的な資料作成(構成、文章作成)
・情報収集・要点抽出(比較、整理)
・データ処理(分析、集計)
・議事録作成・タスク抽出(会話の要約、TODO化)
② 代替されにくい仕事の特徴を知る(人にしかできない役割)
・関係者の意見をまとめる調整力
・正解のない場面での意思決定力
・顧客の本音を引き出す対話力
・AIを業務に組み込み、現場で使える形に整える力
③ 技術の進化方向を把握する
・何が自動化されるのか
・どの領域が今伸びているのか
・今後伸びていく領域は何か
これらは一例ですが、キャリア選択を迫られた際に、その領域・仕事内容を担えるかを判断する基準にすることができ、AI時代でも物理的に淘汰される可能性を抑えることはできます。
ただし、AIに代替されにくいという観点ばかりを注視しないように注意しましょう。短期的にはうまくいく可能性がありますが、適性が伴っていない場合、いずれどこかで伸び悩んだり、今は偶然上手くいってる分野なだけの可能性もあります。
また、いまAIに代替されやすいと言われている仕事についている方やすぐのキャリアチェンジが難しい方は、必要以上に焦る必要はありません。
多くの企業は、AIを駆使しサービスをバージョンアップしたり業務効率化を図っています。もちろん経営陣や事業責任者の手腕にかかる部分は大きいですが、上手く対応できればさらなる会社の成長につながります。
一方、あなた個人としても、適性を知り、今後求められる人ならではの役割のスキルを磨いておくと、キャリア変化があった際もスムーズに対応できます。
つまり、重要なのが、
自分の適性と、時代のニーズが重なる場所を見つけることです。
例えば、
・相手の意図を汲み取るのが得意な人
→ AIを活用した提案営業・カスタマーサクセス
・試行錯誤を回すのが得意な人
→ AIを活用したプロダクト開発・グロース
・人の感情の変化に敏感な人
→ AIを活用した組織開発・1on1・エンゲージメント向上
事例)将来性で職種を選んだが、続かなかったケース
以下の理由で、給料の多くが歩合制の営業職に転職しました。
・人ならではの感情、信頼性がより求められる
・インセンティブがある営業であれば、年収もあげられる
・どの業界、企業においても必要とされる仕事に就きたい
元々強みだった、ヒアリング力、提案力を重点的に磨き、営業スキルに自信を持て、成果もあげられていました。苦手な資料作成はAIを活用し補えていました。
一方で、
・ノルマや数字に追われ続けることに強いストレスを感じる
・対人コミュニケーションの連続で疲弊する
といった状態が続き、次第にパフォーマンスが安定せず、キャリアを見直すことになりました。
このケースでは、AI時代に求められる役割を意識し、強みを伸ばし結果を出せていました。
しかし、 常に成果が求められる環境部分が適性とあっていないことから、営業を続けることができませんでした。
具体的には
・一人で深く考えることに強みがあるタイプ
・安定した環境で着実に進めるのが得意なタイプ
であったにも関わらず、
・常に違う顧客とのコミュニケーションが発生する環境
・短期的な成果を求められるサイクル
・継続的にプレッシャーがかかる評価構造
に身を置いていた、というズレです。
ヒアリング力、提案力という強みの適性はあっていても、職場環境の適性があっていませんでした。
このようにAIは、ストレス耐性、思考のクセといった「個人の特性」を補うことは難しいです。
AIに代替されないことを重視するだけでなく、人ならではの役割、業務構造、職場環境の適性まで見極めることが求められます。
3. 適性とAI時代の変化を定期的に見直すことが必要
ここまで、人にしかできない役割の適性のを知ること、AI時代の状況を理解しておくことが重要とお伝えしました。
一方で、ここで一つ注意しておきたい点があります。
それは、適性は絶対に変わらないものではないということです。
生まれ持った特性によるものが軸にはなるため、大きく変わることは少ないですが、環境・経験によって少しずつ変化していきます。
そのため、適性を「ラベル」として固定的に捉えるのではなく、
・今どのような環境で発揮されているか
・どのような条件でパフォーマンスが上がったか
など、定期的にうまくいったこと・うまくいかなかったことを整理することが必要です。
ここにAI時代の変化、それによって社会や会社から求められるものを組み合わせて考えることが重要です。
ただし、中途半端に自己理解をし、誤った適性の理解をもとにキャリア判断をしてしまうと、こんなはずじゃなかった…となってしまうかもしれません。
そうならないためにも、プロの支援を受けるといった正確な適性が分かる手段をおすすめします。
4.まとめ
AIの進化によって、仕事の構造は大きく変わっています。
これまでのように、努力やスキルでカバーできていた領域は減り、
意思決定・対話・調整といった「人にしかできない役割」の比重が高まっています。
その結果、「どれだけ頑張れるか」ではなく、「どこで頑張るか」が、これまで以上に重要になっています。
そして、その判断の軸になるのが「適性」です。
適性がある環境では、自然と成果が出やすく、継続もしやすい。
一方で、適性がズレていると、努力しても成果につながりにくく、疲弊してしまいます。
さらにAI時代は、環境そのものが変わり続けるため、一度の選択で終わるのではなく、適性と時代の変化を照らし合わせながら、見直し続けることが求められます。
AI時代は「努力すれば報われる時代」ではなく、「適性のある仕事・環境での努力が報われる時代」です。